二回目の水稲圃場空撮データのオルソ画像です。左からNDVI7カメラフォールス画像、Blue-NDVI処理画像、RGB画像になります。MAPIRのNDVIカメラについては機器の不調により撮影を見送ったため、今回は省いています。
全体的に水稲が成長し、高い指数を示す赤色部分の分布が広くなっていることが分かります。前回の傾向と同じく画像上と下の圃場で数値に差が出ており、下圃場の方が均一に高い値となっています。逆に上圃場は値の分布にムラがあります。フォールス画像とRGB画像で藻が広く繁茂していることが確認できますが、NDVI値の分布には影響していないように思えます。ここでそれぞれの稲を拡大してみます。以下、それぞれの中心付近を拡大した画像です。左が上圃場、右が下圃場になります。二つの画像を比較すると、上圃場は稲の株間から水面が覗いていることが分かります。このことから、ほぼ同じ株間隔で植え付けを行っているとして、上圃場は下圃場に比べて分げつが遅れているため、NDVI値の低い水面部分が目立ち全体的な俯瞰時の数値が低く見えていると考えられます。
次に幾つかの稲株のNDVI値をピックしてみます。上範囲内からランダムに取得した数値なので偏りはあるかもしれませんが、平均値で0.50と0.52で0.02の差しかないことから、稲株のNDVI値には大きな違いは無いと言えます。この点は水稲株の抽出等を行って数値を見てみたいので方法の検討が必要そうです。
No | 上圃場 | 下圃場 |
1 | 0.531 | 0.535 |
2 | 0.493 | 0.425 |
3 | 0.488 | 0.528 |
4 | 0.469 | 0.570 |
5 | 0.524 | 0.507 |
6 | 0.522 | 0.586 |
平均 | 0.505 | 0.523 |
以上から空撮オルソ画像において、生育度合は株の分げつ状況を見ていると言えそうです。俯瞰のNDVI値の分布状況から数値が低い範囲は生育(分げつ)が遅れているので、該当範囲に施肥を検討するという使い方が考えられます。水面が見えない程分げつが進んだ際にNDVI値に差が出るかは8月~9月の観測データから読み取る必要がありそうです。想定としては稲穂が出てくることでNDVI値は低下の傾向に入ると思われます。
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