UAVでNDVI(正規化植生指数:Normalized Difference Vegetation Index)を取得しようとする場合、人工衛星に搭載されるようなマルチスペクトルセンサを搭載して、近赤外波長を取得しなければなりません。
実際に、UAVに搭載できるよう小型化されたセンサは販売されています。しかし、残念ながら少々高価な機材となってしまいます。具体的な値段はまちまちですが、Phantom3等が2~3台は買えると思います。そこで、通常のデジタルカメラで近赤外を取得できるような方法は無いかを探してみたところ、ありました。
米国のIRPro(http://www.irprostore.com/)という企業にて、Gopro社のHeroシリーズのカメラレンズを差し替えることでNDVIを取得可能になるという製品がありました。
まず、Heroシリーズのカメラは基本的にレンズを外せる仕様にはなっていないので、交換できるようにカスタマイズされたカメラを同社から購入する必要があります。この既製品のカメラをカスタマイズする点について強みになるのは、UAVへの搭載が楽になる点です。現在、DJIを含めたホビードローン製品の多くは機体とセットになっている専用カメラを搭載している物とGoProカメラを搭載できる仕様のものが多くあります。カスタマイズされたカメラはGoProカメラを搭載できる機体にそのまま搭載することができ、搭載させるための専用ジンバルは専用のものが広く出回っているので、用意するコストが抑えることができます。
次にレンズですが、この製品のNDVIは一般的な赤バンドと近赤外バンドを使用するのではなく、青バンドと近赤外バンドを使用することを想定しているようです。通常のNDVIと区別するため、この青バンドを使用したNDVIをblue-NDVIと呼びます。また、同社は定期的にレンズを更新して名称を付けており、最新のレンズはNDVI-7という名称になっています。なお、実際に取得される数値の検証は別記事に記したいと思います。
この製品を実際に購入したのは当記事の日付から数年前になりますが、実際に購入している機材類は以下のものになります。
機器名 | 概要 |
GoPro Hero4 Silver Camera with Hybrid Lense | レンズ交換が可能なようカスタマイズされたHero4カメラ。 |
Hybrid NDVI BLU22 FLAT 5.4mm Lense | blue-NDVI取得用レンズ。BLU22はフィルター名称だが、現在は販売されていない。 |
Hybrid NDVI-7 FLAT 5.4mm Lense | blue-NDVI取得用レンズ。NDVI-7はIRPro社独自のフィルター名称。現在はこのレンズを搭載したカメラ類を販売している。 |
このカメラ機器の価格はカメラ本体:$490.00、レンズ:$140.00と一式揃えるのに10万円を下回ります。また、上記のように新しいレンズフィルターが発売された際に、レンズのみの購入でフィルターを更新できるのは便利でした。
一般的なデジタルカメラを基とした物なので、高価な機器と比べるといくらか劣るかもしれませんが、低コストでの植生指数取得を実現するには有用な機器と思います。このカメラを使って農地観測等行い、性能等確かめていこうと思います。
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