potree・点群データの描画ツールの使い方

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potreeの導入・使い方を紹介します。LiDARや画像による3次元モデルで点群データを取得することができますが、点群データの視覚化は無償で使いやすいものがあまりないかと思います。potreeはオープンソースの点群データ描画ソフトです。ブラウザ上で点群データを視覚化し、簡単な操作で点群データを確認することができます。まず、どんなものなのか、こちらでデモデータが触ることができます。遊んでみてください。

potreeのデモデータ

potreeを使うための全体の流れ

点群データの主なデータフォーマットはlasやlazだと思いますが、potreeではそれらのデータ形式は利用できません。potreeで点群データを描画する流れは以下の通りです。

  1. 点群データをpotreeのデータフォーマットへ変換する
  2. 変換したファイルを所定のディレクトリに移動する
  3. 描画するためのhtmlファイルを編集する
  4. npm startでプロセスを立ち上げ、ブラウザ上で  http://localhost:1234/examples/ にアクセスし、編集したhtmlを選択する

PotreeConverterのインストール

点群データをpotreeで描画するには、potreeの専用ファイル形式に変換する必要があります。変換ツールもpotreeと同様、無料で公開されています。こちらのリポジトリにアクセスし、プロジェクトをローカルにクローンしてください。変換ツールはLinuxとWindowsのみに対応しているようです。Macでも利用したい場合、DockerでLinux環境を構築して利用するのが良いです。

Linuxの場合

ディレクトリをクローンしたPtreeConverterに移動し、以下のコマンドを端末で実行し、ソースコードをビルドしてください。

mkdir build
cd build
cmake ../
make

TBBがなんちゃらというエラーが出たらsudo apt install libtbb-dev をしてパッケージをインストールしてください。

Windowsの場合

Windowsの場合、既にビルドされたバイナリファイルを利用するか、Linuxのように自分でソースコードからビルドする方法があります。バイナリファイルはこちらからダウンロードできます。ZIP形式で圧縮されています。

ビルド方法はcmakeまではLinuxと一緒で、Visual Studioでビルドが可能のようです。

PotreeConverterによるファイル変換

ビルドが無事にできたら実行ファイルが作成されます。変換方法は端末で以下のコマンドで実行できます。出力はファイル単体ではなく、新たにディレクトリができ、複数のファイルが含まれます。

./PotreeConverter input.las -o output_dir

potreeによる描画

potreeはこちらからダウンロードできます。インストールにはnode.jsとnpmが必要です。インストールは以下のようにします。

sudo apt update
sudo apt install nodejs npm

potreeのインストールは、クローンしたpotreeのディレクトリに移動し、以下のコマンドでできます。

npm install

インストールが完了したら、先程、PotreeConverterで作成したディレクトリをpotreeのディレクトリにあるpointcloudsというディレクトリに移動してください。

つづいて、exampleのディレクトリにあるhtmlファイルを一つコピーして編集します。lion.htmlを適当なエディタで開きます。コピーのファイル名は適当で良いですが、geo_quantz.htmlとでもしておきましょう。61行目の

Potree.loadPointCloud("../pointclouds/lion_takanawa/cloud.js", "lion", function(e){

のコードを以下に変更します。PotreeConverterで生成したディレクトリ内にmetadata.jsというファイルがあるので、そのパスを指定します。

Potree.loadPointCloud("../pointclouds/output_dir/metadata.js", "lion", function(e){

編集が完了したら、potreeのディレクトリ上で、以下のコマンドを実行します。その後、ブラウザで http://localhost:1234/examples/ を開いてください。

npm start

すると以下の画面が表示されると思います。examplesをクリックし、geo-quantz.htmlをクリックしてください。すると、点群データが描画されます。

potree起動時の画面
potreeで描画したLiDARデータ

触ってみてわかると思いますが、potreeはかなり軽快に動きます。QGISのプラグインでも点群データを描画するツールはありますが、動作が重く、残念ながら使いづらいです。

左クリックで回転、右クリック(Macの場合、二本指でトラックパット押し込み)で上下移動ができます。スクロールでズームイン、ズームアウト。左サイドには、様々なツールが用意されているので、試してみてください。

このpotreeによる点群データの描画は、WebODMでも利用が可能です。WebODMで空中写真をオルソ化した後、3次元データの確認もできます。WebODMの詳細はこちら

まとめ

以上がpotreeのインストールや使用方法です。potreeを利用するにはlasファイルなどをpotreeの専用フォーマットに変換する必要がありますが、必要なツールは既に用意されています。処理動作も非常に軽快で使いやすく、無償で使うには十分かと思います。サーバを用意すれば、インターネットに公開することも可能です。

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